家やマンション購入のために住宅ローンを組む際、妻や家族に多額の借金があると、住宅ローンの審査に通らないのではないかと心配な人もいるでしょう。
結論を述べると、基本的に配偶者や家族に借金があっても、住宅ローンの審査に関係はありません。しかし、妻が連帯保証人になる場合やペアローンを検討中の場合は注意が必要です。
ここでは妻や家族に借金がある場合の住宅ローン審査について説明します。
- 住宅ローンの審査では、ローンを組む人の年収や勤続年数、勤務先、家族構成、すでにある借金の金額などが調べられる
- 住宅ローンを組む本人の借金は重要な審査項目だが、妻や家族の借金は審査に影響しないと考えてよい
- 妻や家族が住宅ローンの保証人になる場合や共にペアローンを組む場合は、該当者の借金も審査される
- この記事はこんな人におすすめ!
- 家族や妻に借金があるので、住宅ローンが組めるか心配な人
- 住宅ローンの審査に、家族の借金が影響するか知りたい人
- 借金があっても保証人になったりペアローンを組んだりできるか不安な人
もくじ
1.住宅ローン審査の仕組み
まず、住宅ローンではどのような審査が行われるのか、その仕組と内容を説明します。
住宅ローンは、金融機関が数千万円という高額なお金を貸し付けるわけですから、誰でも利用できるわけではありません。
そこで、住宅ローンを申し込むと、きちんと返済できそうか「審査」を受けることになります。
1-1.住宅ローン審査で調べられる項目
住宅ローンの審査で調べられるのは、おもに次のような項目です。
- 年収
- 勤続年数
- 勤務先
- 家族構成
- 今の住宅形態
- 現在の年齢
- 住宅ローン完済時の年齢(予定)
- 住宅の担保価値
- 頭金の割合
- すでにある借金の金額、借入先
年収は高い方がよく、勤務先は倒産のリスクが低い上場企業や公務員が優遇されます。
年齢は若い方が有利で、住宅の担保価値(購入する物件の価値)は高い方が良いです。
また、頭金はたくさん入れた方が、金利などが有利になります。
1-2.住宅ローン審査に通らない場合とは?
住宅ローン審査に落ちるおもな理由は、年収が足りない、年齢が高すぎる、勤務先の信用がない、勤続年数が足りないなどです。
問題があると判断されたら、たとえ妻や家族に借金がなくても住宅ローンを利用できません。
住宅ローンの審査で特に問題になるのが「すでにある借金の金額や借入先」です。
住宅ローンを利用する前に他社で借金をしていると、そちらの返済もしないといけないので、金融機関への返済が滞る可能性が高まります。
借入先がサラ金やカードなどの場合は利息も高くなるため、さらに返済がむずかしくなりがちです。
そのため、住宅ローンを申し込んだ人がサラ金やクレジットカード会社で借入をしていると、住宅ローン審査に落ちる可能性が非常に高くなります。
また、過去に債務整理歴がある場合なども、住宅ローン審査に落ちやすいです。
2.妻や家族の借金は住宅ローン審査に影響しない
基本的に、妻や家族の借金は住宅ローンの審査には影響しません。
銀行など金融機関が、住宅ローン審査で申込人の借入状況を調査するとき参照するのが「個人信用情報」です。
個人信用情報とは個人の借金に関する記録で、どこの会社からいくらの借入をしているのか、利率はどのくらいかなどの詳細な情報が登録されています。
金融機関はそれぞれ「信用情報機関」に加盟しており、融資の審査を受けたらローンの申込みをした人の個人信用情報を照会して閲覧することが可能です。
申込人本人の個人信用情報から、すでに多額のサラ金やカードなどの利用がわかればローン審査に落ちます。
ただし、これは申込者本人の信用情報についての対応です。
金融機関は、基本的に申込者本人ではない人の信用情報まで調べることはありません。たとえ同居の親族であっても、調べられることはないと考えて大丈夫でしょう。
よって、妻や家族が多額のサラ金やクレジットカードローンを抱えていても、申込者本人に問題が無ければ住宅ローン審査に影響はありません。
3.妻や家族が保証人になる場合やペアローンを組むときは注意
妻や家族の借金は住宅ローンの審査に影響しないと述べましたが、妻が「保証人」になる場合やペアローンの利用を考えている場合は注意が必要です。
3-1.借金があると保証人になれない場合がある
住宅ローンを組むとき、夫の収入だけでは不十分で審査に通らないケースがあります。
住宅ローンを借りられる金額は申込人の年収に応じて決まるため、年収が低い人の場合、住宅ローンを利用して多額のお金を借りることができません。
この場合、妻が働いていれば、妻が「保証人」になることで妻の収入も合算し、夫単独より高額な住宅ローンを借りることができます。
しかし、妻にサラ金やカードなどの借金があると、保証人になるのはむずかしくなります。なぜなら、保証人にもローンの申込者と同様に審査があるからです。
妻に多額のサラ金やカードの借金があると、金融機関が妻の個人信用情報を調べた際に、保証人としての価値がないと判断して審査に落とすこともあります。
そうすると、夫の単独の住宅ローンにして借入可能金額を少なくするか、別の保証人を用意するなどの対応をするしかありません。
また、妻が審査に落ちることで、夫に借金のことを知られてしまうのは避けられないでしょう。
3-2.借金があるとペアローンを組めない場合がある
夫と妻がそれぞれで住宅ローンを借りるペアローンは、より多額の資金を借り入れることができるため、年々利用者数が増えています。
しかし、ペアローンの場合も保証人と同じです。
妻に借金があると、夫が住宅ローン審査に通っても妻は落ちる場合があるため、ペアローンが利用できない恐れがあります。
夫に隠していた借金も、知られてしまうことになるでしょう。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- 住宅ローンの審査では、ローンを組む本人について、次のような項目が審査される
・年収
・勤務先や勤続年数
・家族構成
・今の住宅形態
・現在の年齢と住宅ローン完済時の年齢(予定)
・住宅の担保価値
・頭金の割合
・すでにある借金の金額 - 住宅ローンを組む本人以外の妻や家族の借金は、住宅ローンの審査に影響しないと考えてよい
- 妻や家族が住宅ローンの保証人になる場合や共にペアローンを組む場合は、該当者の借金も審査対象になるため注意が必要
住宅ローンを組む際の審査で、妻や家族の借金が影響することまずありません。
ただし、妻が保証人になったりペアローンを組んだりする場合は、妻も審査対象となるため注意が必要です。場合よっては、住宅ローンの予定が変わることもあるでしょう。
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