相続税対策として、自宅の土地を旗竿地(はたざおち)に分割(分筆)する提案を受けることがあります。
旗竿地とは、専通(せんつう)や袋地(ふくろち)、路地状敷地(ろじじょうしきち)とも呼ばれ、旗竿(はたざお)の形をしている土地のことです。
旗竿地に分筆すると、将来、子ども2人が支払う相続税を節税できるといいますが本当なのでしょうか?また、どのような仕組みなのでしょうか。
こちらでは、土地を分割(分筆)することで相続税の節税になるのかについてわかりやすく説明します。
節税にはなるが損する可能性も大
相続税は路線価を基準に決めます。
参考 相続税とは?イクラちゃんねる路線価とは、国税庁が毎年7〜8月に公表するその年の1月1日時点における主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格を公表するものです。
参考 路線価とは?イクラちゃんねる分筆して旗竿地にすると整形地(せいけいち:正方形や長方形に整った形の土地のこと)よりも評価額が下がるため、節税目的であえて旗竿地に分筆することを勧める専門家がいます。

確かに評価額が下がるため、相続税は安くなり節税になります。
例えば、300㎡で相場価格が2億円、相続税評価額が1億5,000万円の土地を、180㎡の旗竿地と120㎡の整形地に分割するとします。
旗竿地の相続税評価額は約7650万円、整形地の相続税評価額は6000万円となり、2つの土地を合わせ1億3,650万円と1,350万円ほど評価額を引き下げられます。実効税率を20%とすると、270万円節税できる計算です。
ただし、旗竿地は売却時の価格も安くなることに注意が必要です。
旗竿地と残りの土地を売却しようとしても、それぞれ8000万円程度でしか売れない可能性が高くなります。元の形状のままだと2億円で売却するのに比べて、手数料などを考慮すると受け取れる金額は約3200万円ほど少なくなってしまいます。
もし、相続人が親と同居していないなら、親が亡くなった後は土地を売却した方が良いでしょう。同居している場合は、小規模宅地等の特例が利用できます。
参考 小規模宅地等の特例とはイクラちゃんねる相続人の1人がすべての土地を相続するには、他の相続人に同等の現金を支払う代償分割が必要です。
仮に相続人が土地を相続するとしても、いずれ売却することを考慮して旗竿地にはしない方がいいでしょう。
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