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借金のため家を相続放棄!それでも残る管理責任と免れる方法を解説

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借金のため家を相続放棄!それでも残る管理責任と免れる方法を解説

親に借金があったので、家も含めて相続放棄するつもりです。ただ、相続放棄しても家の管理をしないといけないと聞きました。
本当にそうなのですか?

こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。

親などが亡くなったときに借金があれば、相続人全員が「相続放棄」することによって免れることができます。

しかし相続放棄をしても、家の管理責任が残ってしまうケースがあるので注意が必要です。

こちらでは、借金を相続したくないときの相続放棄の方法と、放棄しても家の管理責任が残ってしまう問題について、わかりやすく説明します。

1.借金を相続したらどうなるのか

親や兄弟などが亡くなって相続人になったとき、借金が残されていたら借金も相続の対象になります

被相続人(ひそうぞくにん:亡くなった人)の財産を、無条件ですべて承継することを単純承認(たんじゅんしょうにん)といいますが、何もしないで相続を単純承認してしまったら、あなたは被相続人の代わりに借金を返済しなければなりません。

相続人が複数いる場合、それぞれの相続人が引き継ぐ借金は、法定相続分(ほうていそうぞくぶん)に応じた金額です。

法定相続人 法定相続分
配偶者と直系卑属(子供・孫など)の場合 配偶者1/2
子供(孫)1/2(複数の場合1/2を人数で分ける)
配偶者と直系尊属(父母・祖父母など)の場合 配偶者2/3
父母(祖父母)1/3(複数の場合1/3を人数で分ける)
配偶者と兄弟姉妹の場合 配偶者3/4
兄弟姉妹1/4(複数の場合1/4を人数で分ける)
配偶者がいない場合 それぞれ法定相続人となる順位の中で均等に分配

たとえば、すでに配偶者を亡くしている親が900万円の借金を残して、それを3人の子供達が相続する場合、子供達はそれぞれ300万円ずつ借金を引き継いで返済しなければなりません。

遺産の中から支払いができないのであれば、相続人自身の財産から支払うことになります

もしも支払えなければ、親の借金の債権者(貸した側)が子供達に対して裁判などを起こし、子供達自身の預貯金や給料、家などから取り立てを行うことも可能です。また、最悪の場合、子供達が自己破産しなければならないこともあります。

1.相続放棄したら借金が無くなる

借金の相続を免れるためによく利用されるのが「相続放棄(そうぞくほうき)」です。

相続放棄すれば、相続放棄した人は「はじめから相続人ではなかった」ことになるため、被相続人(亡くなった人)の資産も借金もすべてを引き継ぎません。

また、相続放棄は、それぞれの相続人が自分だけの判断で可能です。たとえば兄弟3人が相続人になったとき、ほかの兄弟が相続をしても、自分だけが相続放棄することも可能です。

しかし、相続放棄すると相続権が他の相続人に移るため、借金の相続がある場合は、自分一人の判断で勝手に相続放棄してしまうと、ほかの相続人とトラブルになる可能性があります。

2-1.相続放棄するときの注意点

相続放棄すると、借金だけではなくプラスの資産も受けとれなくなるので注意が必要です。家などの不動産はもちろんのこと、預貯金や株式などの価値のあるものも一切相続できません。

つまり、マイナスの負債よりもプラスの資産が大きいときに相続放棄をすると損をしてしまうおそれがあります。

相続放棄が認められると、原則として撤回できないので、遺産相続をしたときに借金が残されていたら、まずは負債と資産がどのくらいあるのかそれぞれ明らかにして、負債が上回っているときに相続放棄するのが良いでしょう。

また、資産に対してまったく関心がない、他の相続人との話し合いが面倒といった事情があるのであれば、資産が負債を上回っているケースでも相続放棄が有効です。

なお、被相続人に借金があっても相続する実家を守る方法については「借金を相続せずに実家を守る方法についてわかりやすくまとめた」をご覧ください。

2-2.相続放棄の期限について

相続放棄には期限があります。基本的には、相続の開始(被相続人の死亡)の事実を知ってから3ヵ月以内に家庭裁判所で「相続放棄の申述(しんじゅつ)」をしなければなりません。

「相続の開始の事実を知ってから」とは、財産の所有者が亡くなったことを知ったとき及びこれにより自分が法律上相続人となった事実を知ったときのことを指します。

この期限を過ぎると勝手に「単純承認」が成立して、借金も強制的に相続させられてしまう可能性が高まります。

しかし、調査する財産が多い場合などは、3ヵ月以内に相続するか放棄するかの判断ができないこともあるでしょう。

このような場合は、家庭裁判所に申し立て(熟慮期間伸長の申し立て)をすることで、期限を延長してもらえることもあります。一般的には1~3ヵ月の延長が可能です。

ただし、相続人が複数いたとしても、期限の延長の効果は、申し立てを認められた人だけということに注意しなければなりません。そのため、相続人ごとに申し立てを行う必要があります。

また、財産調査をした当初借金の存在を知らなかった場合や被相続人に財産がまったくないと信じていた場合などは、亡くなったことを知ったときから3ヵ月以上経過していても、相続放棄が認められる可能性もあります。

3.全員が相続放棄すると問題が発生

親が借金と実家を残して死亡したとき、相続放棄をすれば、相続から外れて平穏に暮らすことができそうです。

しかし、相続人が全員相続放棄してしまった場合は、新たな問題が発生します。

相続放棄しても、相続人にはしかるべき管理者が遺産を管理するようになるまでは、自己の所有物と同様の注意をもって相続財産を管理しなければならないという義務があるからです。

もし、すべての相続人が相続放棄したら、家を管理する人がいなくなるので、自分達で家を管理し続けるしかありません。家の掃除や片付け、傷んでいる箇所の補修などを行う必要があります。

管理が行き届いておらず、家の近くの通行人などに怪我をさせたら、管理人である相続人が損害賠償しなければなりません。

このように、相続放棄しても相続財産の管理義務が残ります

3-1.相続財産の管理を免れる方法

家の管理義務を免れるには、家庭裁判所で「相続財産管理人(そうぞくざいさんかんりにん)」の選任が必要です。

相続財産管理人とは、相続人がいない場合に相続財産を管理して清算する人で、家庭裁判所に申し立てをすると、裁判所が弁護士などから選任します。

相続財産管理人が選任されたら、家の管理権限は相続財産管理人に移るので、相続人らは完全に遺産から解放されるのです。

ただし、相続財産管理人を選任するときには予納金(よのうきん)が必要です。ケースにもよりますが、数十万円~100万円程度かかることもあり、相続人にとって大きな負担となります。

MEMO

相続財産管理人とは

相続財産管理人とは、相続人が存在せず、誰も相続財産を管理しない状態になったときに、相続財産の管理を行う者で、家庭裁判所から選任され一般的には地域の弁護士が就任します。

相続財産管理人は、特定の誰かの利益を実現する者ではなく、裁判所から選任されて公平迅速に債権者への支払や相続財産の管理清算等を行う者です。

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4.相続放棄しないという選択肢を考える

親が借金していても、借金額が少ない場合にはあえて相続放棄をしない選択肢もあります。上手に家を売却すれば、売却代金で借金を返せる可能性もあるからです。

その場合、お家を売る方法は「相続した家の売却方法」をご覧ください。

また、相続した家を誰かに貸すなど活用して黒字化することも可能ですし、相続を機に不動産投資を始める方もおられます。

家を相続したときにはいろいろな可能性があるので、借金問題だけにとらわれず、まずは負債と資産がどのくらいあるのかそれぞれ明らかにすることが重要です。

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