ローンが残っている状態で家の買い替えをできるのかどうか不安です。住み替えローンというものがあるようなのですが、デメリットはないのでしょうか?
ご相談ありがとうございます😊
住み替えをお考えなのですね✨住み替えローンとは…
こちらは、スマホの不動産屋さんをご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
多くの方が、マイホームの住み替えを進める際に、残っている住宅ローンをどうしたらよいものかと不安になりますよね。
今の家を売却したお金でローンを完済できれば、問題なく住み替えを進めることができます。しかし、家の売却代金と預貯金を足しても住宅ローンを完済できないケースが多いです。
そんなときに利用できる「住み替えローン(買い替えローン)」は、住宅ローンを完済しなくても買い替えを進めることができる方法です。
ただし、住み替えローンを利用するには、注意しなければならない点もあります。
こちらでは、家の買い替え時に利用できる住み替えローンについてメリット・デメリット共にわかりやすく説明します。
もくじ

住み替えローン(買い替えローン)とは
「住み替えローン」とは「買い替えローン」とも呼ばれるもので、通常の住宅ローンとの違いとして、多くの金額が借りられる点があります。
住宅ローンを組める金額はおよそ年収の約7倍とされていますが、そもそも担保となるお家に、価値がなければ貸してくれません。住宅ローンの借入額には、担保としての物件価格も考慮されているのです。
ところが、住み替えローン(買い替えローン)では「買い替え先の購入資金+今の自宅の残っている住宅ローン」という、担保物件の価値以上のお金を借りることが可能です。
これにより、今の自宅の残っている住宅ローン全てを返済することができますので、今の家を売却し、新居を買うことができます。
条件は金融機関によって異なりますが、共通するのは、今まで毎月返済してきた住宅ローンに延滞がないことが条件です。
銀行にとっても、「延滞がない=この人はちゃんとお金を返してくれる」という認識のもと、住み替えローンを認めてくれるのです。
「売却価格+貯蓄額<住宅ローンの残債」なら住み替えローンの出番
住宅ローンの返済は、最初のうちは利息の比率が大きく、なかなか元本が減りません。
一方、お家の価値は新築時から10年ほどで、大きく減っていきます。その状態でお家を売却しようとすると、残っている住宅ローンの金額が売却価格を上回ってしまう「オーバーローン」になります。
実は、家の売却代金だけで残っている住宅ローンを全て返済できるというケースはあまり多くありません。
たとえ、オーバーローンであっても「自宅の売却代金+貯蓄額」で住宅ローンを完済できるのならば問題ないのですが、それでもローンを完済できないケースがあります。
このように、自分で用意できるお金だけでは残っている住宅ローンの残債(残高)を完済できないというときに、住み替えローンが役に立ちます。
住み替えローンのメリット
住み替えローンのメリットとして、次の点があげられます。
住宅ローンが残っていても新居を購入できる
最大のメリットは、自宅の住宅ローンが残っていても買い替えを進められるという点です。
また、貯蓄を使って完済しなくても、新たな住宅ローンを組めるため、手元に資金を残しておくこともできます。
ローンを完済する自己資金がないけど、どうしても買い替えがしたい人や万が一病気になったときや今後の生活での大きな出費に備えて、現金を手元に残しておきたい人にとっては、ありがたいローンです。
気に入った物件を買い逃さずに済む
あなたが「いいな」と思う物件は、他の人も欲しい物件かもしれません。人気の高いエリアにあるなど、魅力的な物件は、あっという間に買い手が決まってしまいます。
住み替えローンを利用して買い替えを進めていれば、気に入った物件を見つけた時点ですぐに購入の決断が可能です。
仮住まいの必要がない
住み替えローンを利用する際は、売却と購入を同時に進めますので、仮住まいの必要がありません。
今住んでいる家から新居に直接引っ越すことができるので、余計な手間や費用も不要です。
住み替えローンのデメリット
一方、住み替えローンのデメリットとして次の点があげられます。
ローンの審査が厳しい
住み替えローンのローン審査は、金融機関(銀行)によって多少条件は違うものの、総じて収入額や勤務先の規模・安定性が重視されて、普通の住宅ローンよりも厳しくなっています。
「買い替え先の購入代金+自宅の残っている住宅ローン」という、担保となる物件の価値以上に融資することになり、金融機関にとってはリスクが増すからです。
また、全ての金融機関で取り扱っているわけではないため、借り入れできる金融機関が限定されてしまいます。
新居をゆっくりと探すことができない
住み替えローンを利用するためには、売却と購入の残代金決済日を同日にしなければならないという条件があります。
なぜなら「新居購入における住み替えローンの実行日」と「家を売って今の住宅ローンの残債(残高)を一括返済する日」が同時でないといけないからです。
加えて、家の売却金額が確定しなければ、今住んでいる家の住宅ローンがいくら残ってしまうのか、住み替える新居にかけられる予算はどのくらいなのかを決めることができません。
そのため、家の売却に合わせて、購入先を決めなければならないので「売却~新居探し」までにあまり時間をかけることができません。
気に入った物件がなかったり、妥協しなくてはならない可能性もあるため、新居探しにかけられる時間が短いことを頭に入れて、先に新居の候補や条件を絞っておくとよいでしょう。
家の買い替えの流れについては「家の買い替えの流れについて〜売ってから買うの?買ってから売るの?」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
買い替え特約や買取保証サービスもある
新居探しにかけられる時間が短いという事態を避けるために、住み替えローンの利用を考えているときは、「買い替え特約」や「買取保証(売却保証)」を利用するのも1つの方法です。
買い替え特約とは?
新居購入の際に「今住んでいる家が売れなければ、新居購入の契約を白紙に戻せる」という条件をつけるということです。
住んでいる家が売れなかった場合は、ペナルティなしで購入の契約を解除することができます。
ただし、新居の売り主にとって、買い替え特約は不利な内容でしかないため、売り主が個人の場合は断られるのが普通です。売り主が不動産会社であれば適用してもらえる可能性があります。
買取保証(売却保証)とは?
期間内に家が売却できなかったときは、あらかじめ決められた金額で不動産会社が買い取ってくれるというサービスで、家が売れないことを避けることができます。
ただし、買取保証額は、相場価格の7~8割前後になることが一般的ですので、家が安くでしか売れないというのが最大のデメリットです。買取保証を利用するかどうかは慎重に検討しなければなりません。
買取保証についてさらに詳しくは「家の買い替え・住み替えで買取保証をつけるメリット・デメリット」も併せてご覧ください。
住み替えローンを利用する際の2大ルール

①借り入れすぎてはいけない
新居の価値以上のローンを背負うことになるということは、毎月の返済額も今以上に高くなりがちです。
通常の住宅ローンよりも金利が高くなりますので、今と同じくらいの額を借りるとしても、当初の住宅ローンよりも負担が大きくなることを覚悟して借りる必要があります。
そのため、当然ではありますが、返済できない金額を借りないようにしましょう。「借りられる額」と「現実的に返せる額」は違います。
また万が一、将来ローンの返済が厳しくなってしまったときにその家を売っても住宅ローンを返済しきれず、多額の借金が残ってしまう恐れもあるのです。
審査に通るからといって、安易に毎月の返済金額を増やすのは、家計の破たんに繋がる、危険な行為ですので、絶対にやめておきましょう。
②返済期間を安易に延ばさない
下記の国土交通省の調査によると、初めて家を購入した人(一次取得者)の年齢は主に30代~40代がメインですが、買い替えをした人(二次取得者)の年齢は、主に40代~60代の方がメインとなっています。
(出典:平成30年度住宅市場動向調査報告書)
つまり、買い替えを行う人の大半が定年までの期間が短くなっているということです。
したがって、住み替えローンを組む際に初めて住宅ローンを組んだときと同じように30年ローンなどにしてしまうと、老後の生活に負担が掛かる可能性があることに注意が必要です。
定年を迎える65歳までに完済できるよう、返済期間を安易に延ばさず、しっかりとした計画を立てることが大切です。
キャッシュフロー表などを利用しチェック
借入金額や返済期間を検討する際は、「キャッシュフロー表」などを利用し、無理な返済計画になっていないかチェックすることも重要です。
これは、今後のライフイベントを明らかにし、家計の収支状況を予測することができるものです。
「日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」のホームページからも雛型がダウンロードできます。
こういったものも活用し、冷静に判断するようにしましょう。
鍵を握るのは「家を高く売却できるかどうか」
住み替えローンは、住宅ローンが残っていても新居を購入することができるというとてもありがたいローンです。
ただし、何度も繰り返しになりますが「新居の価値以上のローン(借金)を背負うことになる」ということを決して忘れてはいけません。
そのため、住み替えローンを利用する際に最も重要なことは、今の家を少しでも高く売却することで残るローンの残債を減らし「ローン残債+新しい住宅ローン=住み替えローン」を収入で十分返済できる金額にもっていくことです。
家を少しでも高く売却することができるかどうかは、不動産会社選びにかかっています。その地域の売却に強い(売却実績の多い)不動産会社に依頼することが大切です。
不動産会社選びについては「不動産売却はどこがいい?おすすめの不動産会社の選び方」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
とはいえ、「どこの不動産会社に相談すればよいのかわからない」「まずは今の家の売却価格を知ってから考えたい」という方も少なくありません。
そういった方はまず、「スマホの不動産屋さん」でご相談ください。あなたの状況をお伺いし、どのようにすべきかアドバイスがもらえます。