
住宅ローン返済中なのですが、同じ地域で欲しい物件が見つかったので住み替えしたいと思っています。二重ローンを利用するのは果たしてどうなのでしょうか…?
ご相談ありがとうございます✨
希望の物件に巡り合うことはそう多くはないので、逃したくないですよね😊ただ、二重ローン(ダブルローン)は…
こちらは、スマホの不動産屋さんをご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
買い替え先の物件を購入する方法の1つに「ダブルローン」という方法があります。
ダブルローンは「二重ローン」とも呼ばれ、住んでいる家の住宅ローンとは別に、もう1本新たな住宅ローンを組んで買い替え先を購入し、2つの住宅ローンを同時に毎月返済していく、というものです。
ただし、ダブルローンは負担が大きい方法ですので、基本的におすすめできません。
こちらでは、買い替えの際にダブルローンを利用するメリットとデメリット、またダブルローン以外の方法についてわかりやすく説明します。
もくじ

ダブルローンが選択されるケース
買い替えは、新しく家を購入してから現在の家を売却する「購入先行」と、現在所有している家を売却してから、新居を購入する「売却先行」とに分けられます。
「住宅ローンが残っており、自宅が売れなければ新居が購入できない」もしくは「自宅を売却したお金で新居を購入する」という人は、売却先行になります。
このように、よほど手元の資金に余裕のある場合でなければ、買い替えの資金計画には、自宅の売却代金を組み込むのが普通です。
住宅ローンで購入した物件は、銀行など金融機関に借りたお金の担保となっているので、売却するには残っているローンを完済しなければなりません。
そのため、売却先行で自宅を売りに出し、売れて住宅ローンを完済してから、買い替え物件で新たな住宅ローンを組むという段取りになります。
しかし、この方法では、自宅が売却できなければ購入できないというデメリットがあります。


このように売却先行で買い替えを進めると、場合によっては住み替え自体に失敗してしまうこともあります。そんなときにダブルローンを利用します。
購入先行で買い替えを進め、旧自宅が売れるまでダブルローンを組んで返していきます。
買い替えの流れについては「家の買い替えの流れについて〜売ってから買うの?買ってから売るの?」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
ダブルローンは簡単に利用できない?
ダブルローンは、2つの住宅ローンを組むということであり、簡単に利用できるわけではありません。
今の住宅ローンを完済できなければならない
そもそも今住んでいる家の住宅ローンの残債を売却代金で全額返済できなければ、ダブルローンを利用することができません。
売却代金だけで全額返済できない場合は、不足分を預貯金などから補填しても問題はありません。
まずは今の家がいくらぐらいで売却できるのか「スマホの不動産屋さん」で調べてもらいましょう。
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2つのローンを組むため審査が厳しくなる
住宅ローンを組むには金融機関のローン審査を通らなければなりません。
ダブルローンのローン審査は、先に組んでいた残っている住宅ローンの金額と新たに組む住宅ローンの借入額の合計が対象です。
きちんとローンを返済していけるのかどうか、借入額が大きいだけに金融機関の判断が慎重になるので、ローン審査は厳しく通りにくくなります。
住宅ローンの審査基準
- 健康状態
- 年収
- 年齢や勤続年数
- 完済時の年齢
- 物件の担保評価
- 返済比率(返済負担率)
- 個人信用情報(これまでの返済履歴)
住宅ローンの審査では、上記の項目などがチェックされます。
特に買い替えをする方の年齢は、40~60代がメインとなっているため、定年までの期間が短くなっているケースが多いです。
一般的に70~80歳までの間にローンを完済することを前提としている金融機関が多く、融資の期間が長く取れないために審査に通らないケースも多いです。
ローンの返済比率が基準を超える額は、借りることができない
金融機関では、「年収に対してローンの年間返済額が占める割合=返済比率(返済負担率)」をローン審査の基準の1つとしています。
例えば、最大35年のローンが組める「フラット35」で定められている返済比率の基準は次の通りです。
・年収400万円未満:30%以下
・年収400万円以上:返済比率35%以下
(参考:住宅金融支援機構フラット35のご利用条件)
フラット35だけでなく、銀行が提供している一般的な住宅ローンにも、返済比率の基準が設けられています。借り入れ金額が大きいと、決められた返済比率を超えてしまい、ダブルローンを組むことができなくなります。
返済比率は住宅ローンだけで計算されるのではなく、借りている全てのローンを合算して計算されるので、車などのローンを組んでいる場合は注意が必要です。
たとえば、毎月の返済額7万円の住宅ローンを2本同時に組むとなると、毎月の返済額は14万円、年間返済額は168万円となります。
この場合、返済比率の基準をクリアするために必要な年収は約480万円(168万円÷35%)です。
ダブルローンのメリット
ダブルローンを利用するメリットは以下の通りです。
売却と購入を同時に進める必要がない
ダブルローンを利用する最大のメリットはやはりこれです。
住み替えの一番の難点は、売却と購入のタイミングです。理想は売却と購入を同じタイミングに合わせることですが、いつ売れるかわからない不動産売却と、自分に理想の住まいがいつ見つかるかわからない不動産購入を同時期に行うのはとても困難です。

住み替えたばかりなのですが、周りの環境・騒音・家の日当たり・間取り・広さなど、もっとこうだったら…今ならもっと冷静に考えられたのに、なぜあの時決めてしまったんだと後悔するところが増えて…できれば、売却してやり直したいと思っております。
こちらもスマホの不動産屋さんをご利用いただいたお客様の実際のご相談内容です。
タイミングを無理やり合わせるために、お家の売却価格を値下げしてたり、新居の購入を焦って決めてしまったり、妥協して決めてしまい「後悔している」という相談は多いです。
その点、ダブルローンを利用すれば、売却と購入のタイミングを合わせる必要がなくなるため、自分の都合で買い替えを進めることができます。売却の時期に縛られることなく、新居を購入することができるので、どちらも納得して行うことができます。
仮住まい費用などが削減できる
仮に売却先行で進めてしまうと、新居を探している間、一時的な仮住まいが必要となります。そうなると、前の家から借り住まい先へ、仮住まい先から新居へと引越しを2回することとなってしまいます。
一時的に家族や親戚の家に泊めてもらうことができた場合であっても荷物は置いたままにできないので、トランクルームやレンタル収納スペース・引越し業者の荷物預りサービスなどを利用するしかありません。
家族や親戚が遠くに住んでいるなどで、頼れない場合は仮住まいとなる家の家賃・敷金・礼金なども必要になり、さらに出費が増えます。
この場合もダブルローンを利用すれば、家の売却を待たずに新居を購入できるので、すぐに新居に移ることが可能となり、無駄な費用がかかることはありません。
空き家にしてから売ることができる
住みながらの売却では、購入検討者が家の内覧に来た時にアピールを十分にできません。というのも人が住んでいると、収納内や寝室など見学するときに気兼ねすることが多いからです。
また、生活感が売却を遠ざけてしまう可能性もあります。売主の負担としては、いつ見学したいと言われるか予測できないため、売却期間中は常に誰が来てもいいように部屋を綺麗に保っておかねければなりませんし、予定もあまり自由に入れることができなくなります。
一方、新居に引越した後であれば、空き家として売りに出すことができますので、購入検討者もじっくり見学することができますし、売主としても不動産会社に鍵を預けておけば、勝手に案内してくれるので、立ち会う必要もなく、売却がスムーズに進みます。
ダブルローンのデメリット
ダブルローンは、先に新居を購入できる反面、デメリットもあります。
月々の住宅ローン返済額が膨れ上がる
ローンの数が1つ増えるということは、当然ながら月々支払うローン返済額が増えるということです。
旧自宅が売れない限り、月々の負担が減るわけではありませんので、売れてダブルローンを終わるまで持ちこたえられる経済的な体力が求められます。
銀行の審査はあくまでも「借りられる額」の上限ですので、「借りられる額」と「現実的に返せる額」は違います。自分に合った返済額かどうか見極めなければなりません。
売却が遅れれば遅れるほど、ダブルローンの期間が長くなり費用がかさむので要注意です。
借入金額の目安については「つらくならない住宅ローン借入の金額は?」も併せてご覧ください。
居住していない物件は住宅ローン控除が受けられない
住宅ローンを組んで、購入した物件が要件を満たしていれば、年末のローン残高の1%が戻ってくる「住宅ローン控除」が受けられます。
住宅ローン控除を受けるためには
- 所有者本人が居住していること
- 床面積が50㎡以上であること
- 物件を取得した日から6ヶ月以内に居住の用に供し、その年の12月31日まで引き続き居住していること
- ローンの返済期間が10年以上であること
- 控除を受ける年の年収が3,000万円を超えないこと
などの要件に当てはまらなければなりません。
(参考:国税庁、新築住宅を取得した場合・中古住宅を取得した場合)
この1つ目の適用要件である「所有者本人が住んでいること」に旧自宅は当てはまらなくなるため、買い替えで新たな物件に住み替えてしまうと、10年の控除期間がまだ残っていたとしても、住み替えた時点で旧自宅は控除を受けることができなくなります。
ダブルローンだけではなく住み替えローンも検討すべき
ダブルローンには「旧自宅が売れていなくても、好きなタイミングで新居の購入を進められる」というメリットがありますが、同時に負担の大きい方法でもあります。
旧自宅が売却できるまでの短期間だけダブルローンを利用するつもりであっても、売却が見込んでいた通りのタイミングで決まるとは限りません。場合によっては、売却できるまで年単位の時間がかかってしまうことも、決して珍しくはないのです。
そこで、すでに家の売却の目途が立っているケースでしかダブルローンの利用はおすすめできません。
仮に資金に余裕があったとしても、できるだけ負担の小さい方法で買い替えできるのであればそれが一番良いのではないでしょうか。
そこで、「住み替えローン(買い替えローン)」を利用することも検討してみましょう。
住み替えローンとは、家を売って残ったローンと新居の購入資金を併せて借りることができるローンのことです。
住み替えローンについて詳しくは「住み替えローンとは?正しく利用して家の買い替えを進めよう!」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
ダブルローンの場合と住み替えローンの場合を比較して、どちらを選択すべきなのか慎重に検討すべきです。
どちらにしても、まずは今の家がいくらぐらいで売却できそうなのか、把握しておくことが今後、買い替えのプランを立てていくうえで非常に重要となりますよね。
そこで家の売却価格を知りたいという人はまず「スマホの不動産屋さん」でご相談ください。ダブルローンや住み替えローンについても相談可能です。あなたの状況をお伺いし、どのようにすべきかアドバイスがもらえます。